鉄筋コンクリートの建物にエアコン室外機を3台取り付けるのだが、壁の検討を行って欲しいと依頼されたが、何の検討をしたら良いかあまりひらめかないけどどうしてる?と同業者からの相談。いや、雑談かな。
一般的には、壁にアンカーを打込み、架台を固定してその上に室外機を設置する。架台やアンカーはエアコン取付業者などが検討して、必要な架台などを選定する。今回の検討は取付業者が行ってるらしい。
依頼者的には、重さ的には50kg×3台=150kgもの重さのものを外壁に取り付けた場合、外壁は持つのかどうかと心配されたそう。古い建物だし。
結論としては、ほぼ検討の必要がない、検討しなくても壁が壊れることはないけど、依頼者に、なんかの数値証明した方が良いよね~、で一致しました。
外壁に、架台を取り付けた場合、全ての力の処理は取付アンカーで持たせることになります。ザックリ言うと、水平方向に引き抜く力と、下方向に働く力。(水平方向に押しつける力もあるけど割愛) 壁にはその力の反力として水平方向に引張る力と、下に行かないように上方向に押さえつける力が発生しています。引張についてはアンカーの検討で検討しているため、下方向に働く力を上に押し戻せれば機械は落ちてこない。
例えば、コンクリートの圧縮耐力は(Fc21の場合)7 N/mm2 であるため、1本の12φのアンカーを用い、アンカー下部にコンクリと壁が100mm程度あるとしたばあい(実際はもっとあるが)、計算上840kg(12×100×7=8400N)は耐えられる。(コンクリートは壊れないので下に落ちてこない)
それに対して室外機は50kgしかないため、とりあえず12φのアンカー1本で十分おつりが来ると言えるため、壁の検討を行わなくても大きな問題が発生することはない。したがって、一般的にコンクリート壁にエアコン程度を取り付ける場合、アンカー等は検討しても取付壁自体の検討は行っていない。
それより、今後数十年経過したときの経年劣化やサビなどを放置する方が問題が多いかも。
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