実は構造計算はわりと簡単です?
そうは言っても現在の※一貫プログラムの計算自体は非常に高度です。
(実際の計算は積分のオンパレード。計算途中で何をやってるかなんてよく分からない)
※一貫プログラム 建築物の構造計算を行うプログラム。同じ形状でも、境界条件の設定如何で結果に結構な違いが出てくるため、運用自体は慎重に行う必要がある。
なので、こういう言い方をすると非常に語弊があり、全てを真に受けて、「かーんたん」と思われても困るところもあるのですが、一貫プログラムを用いて解析する前提で、一通りの入力が完了していれば、数分から数十分で一定の結果がポンと出てきます。
(その入力の妥当性の判断は非常に重要で、かなりの時間がかかるのも事実ですが。また結果の判断も必要です。)
なので、入力オペレーションが出来るようになれば何となくの答えは出てきます。類似物件の資料などを参考にして入力を行えば、 初学者でも平屋で小規模の建物であればそこそこの答えが出てきます。
(構造的な考え方や計算書を理解できなければならいけど。)
全て手計算でフレームを解析する場合は、小規模でもかなり大変だとおもいます。実際問題として、現在一式手計算で計算書を整理することは実務では、ほぼあり得ないのではないでしょうか。事実、私も工作物などごく限られたもの以外は一式手計算でまとめたことはありません。(できません。やっている設計者を知っていますが、全く頭がありません。)
簡単そうでしょう?(他の構造設計者に怒られそうです・・・いや、間違いなく怒られます。。。)
では、難しい構造設計とは何でしょう?(始めの内容は、この振りが言いたくて、、、)
計算と設計の違いとは。。。。。。あくまで私の考えですが。。。。
計算は設計を行う上で、その判断を行うためのひとつの手段なんだろうなと思っています。
(かなりのウエイトを占めているのは確かですが)
中学受験の問題で。。。。。
ちょっと脱線しますが、たまたまyoutubeの中学受験対策動画で面積算出の問題解説していました。
何でそんな物を見たんだろう。今更中学生にはなれないんだが。。。
今の小学6年生はあんな問題やってるんだー?って内容だったのですが、後日ネット検索して見ると、似たような問題がありました。みんな頭イー
下の図は、大きな半円と小さな円と直線を組み合わせたものです。
図の色部分の面積を求めなさい
ただし、円周率は3.14 とします。
答えは左側から攻めています。
算定式もシンプル。答えは7.42平方センチメートル
ちなみに私は右から攻めていました。
全体を半分にして考え、右側の円内半分からの直角三角形を引いて、
その面積を中心角45°のおうぎ型から引いて。。。
まあ、答えは7.42で同じでしたので合格?いや、結構時間がかかっていると思うのでタイムオーバーですね。電卓も使ったし。
ただし、この計算で行った計算自体は四則計算と円の面積と直角三角形の割と簡単な計算だけです。
計算自体は簡単ですが、分解して、扇形から直角三角形を引いて、などの既往の計算に乗せる方法や考え方の整理自体は結構面倒で、慣れていないと短時間でぱっと答えまで導くことは出来ないと思います。左からだともっと計算はシンプルですが、そこも考え方。私はひらめかなかった。
そこで、構造計算と構造設計
この面積問題をたとえに、
構造計算=電卓をたたく(四則計算などいわゆる計算)
実際の計算は電卓よりずっと高度ですが、一定のルール(プログラムを用いるも含めて)に則って結果を導く作業で、妥当な入力などの判断や諸条件の整理が出来ていれば、NG判定だったとしても計算自体はパッと結果が出る。
簡単! (ではないですが。。。本当はNGつぶすのが大変なんですよ。)
構造設計=物の見方、考え方。(答えを導くストーリー)
どんな仮定を行い、どんな計算で、いかなる結果が出るか、経済的な部材サイズのイメージなど。
構造計画(設計)により考え方を整理する事が重要で、人によって違いがある。経験が必要な要素も多分にあり、ここがちょっと違うと実際の計算結果も結構変わってきたりする。計算NGでなければ、どの考え方も間違だとは断言できない。逆に、結果がOKとなっていても無理のあるモデルによっている場合は、「NGと考えた方が良い」、「どう考えてもこの結果は無理がある」となる場合もあり得る。
難しい!
近頃は何となく構造設計(物の考え方や解析の妥当性等の判断)より構造計算(数値解析結果)を重視してるかの様な雰囲気があるような気がちょっとだけします。一貫プログラムでOKと出てるんだから、良いんじゃない?みたいな。。。 ちょっと違うかなーなんて思うこともあります。
ちょっと極端ですが、例えば鉄骨造小梁で計算によりH-250×125を採用して計算していたとします。(これは構造計算)
しかし、図面でのサイズはH-300×150(大きい材料)としていたとします。これは数値解析の結果を見た上で現場の収まり等を考慮して、H-300×150を用いた方が良いとの判断で変更した。(これは構造設計)
この場合、設計上全く問題ないと思うし、数百ある部材のうち数箇所程度であればこういった変更は行う可能性もあります。その結果、むしろ良い設計になるかもしれません。しかし確認申請の審査では不整合といわれ、図面と計算書の整合性をとることを要求されます。この場合であればおそらく計算書を直しますが相応の時間がかかります。
本当に重要なのは物の考え方を反映した設計であって、計算は設計を行う上での判断を行うためのひとつの手段だと思うので、計算書の修正が必須事項ではないような気もします。ですが、 一貫性のある計算書の方が良いには良いので再計算するなどして修正対応します。
逆に単純な間違いを見つけてもらえる場合もあるのでとっても助かってますが。。。
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