社長のつぶやき

建材の入手性

スチールショック?

2021年はコロナウイルスが猛威をふるい、世界中の経済活動に何らかの悪影響を及ぼした年だったと思います。建築業界ではウッドショックと呼ばれる木材不足がおこりました。

原因はアメリカや中国の需要急増、3月頃におこったスエズ運河での座礁事故による輸送問題、コロナによる影響でカナダなど木材原産国での製材工場稼働率の低下など色々言われています。
大断面集成材や木造の外壁下地に使うOSBですら無いというから、その影響は甚大です。

だだし木材は原材料を含めて、ある程度の国内生産が可能であるため(北海道であれば道産材のカラマツ)、若干は入手できるかもしれません。しかし、いつ外国材が押し寄せるか予測不明のため、製材所ではフル稼働だと思われますが、設備増強など増産体制の強化は望めないので、この状況がいつまで続くのか分からない状況だと思います。

時を同じくして、鉄骨が高騰していると言うことをあちこちから耳にするようになりました。
ウッドショックならぬスチールショック(勝手に命名)でしょうか。

スチールショックもかなりまずいかもしれない

何を今さらと言われそうですが、、、
先日、鉄系商社の情報を入手することができ、ウワサとして聞いていた鉄材不足の状況がある程度見えてきました。
個別案件になるので具体的な金額の内容では無いものの、全体的な材料調達状況の概要です。

具体的には
鉄骨コラム柱の納期が150~180日
H形鋼で60~90日(年度内新規受注不可)
ハイテンションボルトが180日

所見として
脱炭素化の移行を見据えた採算確保(値上げ)
中国政府の政策に伴う原料炭の供給減を見こんだ動き
母材枠が建材に回って来にくい状況
鉄源タイト

となっていました。

実は、構造設計を行う立場としては金額が上がっていると聞いても、そのことがその時点で直接影響することが少ないため、ウワサといった話で終わってしまいがちです。例えば、「この建物形状やスパンでは、この材料が必要です」となってしまい、金額が高いからと言って簡単に別の材料に変更するとはなかなかなりません。

建材の入手性やコスト意識も大切な事なので、今後はこういった情報にもアンテナを張っていかないとならないかなと思います。

建設不況にならなければよいのだが

なんだか不吉な感じですが(フラグを立ててしまったか!?)
実際、新築戸建住宅販売は足止めされた格好となっているようです。ここに来て、鉄骨物件数も減少が予想されるうえ、型枠には木が必要で内部には鉄筋が必要な鉄筋コンクリート造ですらどうでしょう。
これも怪しいような気がします。さらには、ガソリン高騰。

コロナショック、ウッドショック、スチールショック。
物件数が減少しないことを望むばかりです。。。