社長のつぶやき

仕上げ材の固定荷重

とある物件の設計変更で床材下地にセルフレベリング材を用いて平滑にしたいと依頼がありました。

セルフレベリング材は、床面の不陸を少なくする液状のセメント系下地材料で、床コンクリートが硬化後、仕上げ材の下地として床面に流し込みます。セルフレベリング材硬化後は床面が平滑になり、床仕上げ材料の仕上がりが良くなります。

さて、構造設計ではこういう項目(仕上げ等)は固定荷重として考慮することになるのですが、通常はあまり気にすることなく荷重指針より「モルタル:20KN/m3」辺たりを用いるのですが、せっかくなので詳細に重量を計算してみました。

材料は宇部興産の床レベラーGとしました。一袋25kgで、公表価格3,100円/袋のようです。標準加水量は6.3Lで、10mmの施工の場合約1.6㎡施工できるようです。

では、単位荷重の計算。

材25kg+水6.3L=31.3kg×9.80665=307N

標準施工面積は1.6㎡なので

w=307/1.6=191.8 N/㎡となります。硬化後は水分が抜けるので、幾分軽くはなると思うのですが、たわみの大きな中央部では10mm以上になる箇所もあるでしょうから、その分は相殺されているとし、特別な考慮なしとします。

通常の指針による検討ではw=10mm×20KN/m3=200 N/㎡となります。(結果的に200としました。)

ちなみに、約450㎡程度の面積として(だいたいバスケットコート位)450/1.6=281袋必要で、90KN(約9トン)、87万円(定価で材のみだと思う)となりました。

わずか1cmの下地材でも全体で9トン程度は増えるので、荷重整理は結構重要だったりします。しかし、何千トンもの建物のうちの9トンなので、設計変更しても全体にはあまり影響がない場合が多いと思いますが、小梁や床などはサイズアップ等の場合もあります。